tetoの日記

思いのままに書いています。🇯🇵🇺🇸🇪🇸

ジャズと私

深夜は余計なことを考えてしまうことが多いので、眠れない時は本を読むなり無の時間をあまり作らないようにしている。深夜に聴く音楽はジャズかR&Bが心地良い。英国ロックバンドの曲なんかも雨の日に似合うような曲が多いので夜に聴くにはぴったりだ。

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私は音楽が好きだ。幅広いジャンルの音楽を聴く。

新入社員時代にジャズが分かる大人の女性に憧れて、会社帰りにネットで調べたジャズバーを訪れた。還暦をこえたマスターが一人でやっているお店だ。若い女性客が一人で来ることは滅多にないらしく驚かれたのを覚えている。

夜のお店で働く人達がアフターで来ることが多いらしく、オープンしたての早い時間はお客さんがいないことが多かったので私一人でリラックスして過ごすことができた。数ヶ月に一度ほどの私なりの背伸びだ。

ある日マスターから預かり物だとCDを渡された。以前訪れた時に居合わせた一人でひっそりと飲んでいた男性が、私がマスターにジャズのことを学ぶために質問していたのが聞こえていたようで、ジャズの入門CDを預けてくれたそうだ。顔も名前も分からないが、すごく粋な男性だなと思った。

職場が変わったのをきっかけにあまり行かなくなっていたが、数ヶ月前に久々に一人で行ってみた。元々いつも賑わっているようなお店ではないのでコロナで潰れていないか心配だったが以前の姿でそこにあった。

マスターはマスクをした私でもすぐに私と気が付いてくれた。「お久しぶりですね」

変わらない懐かしい声だ。

久しぶりにきたお店は昔とは違って賑わっていた。臆病な私は人の多さに怯んでしまう。私は知らない人に話しかけられてすぐに盛り上がる返しができるような器用な人間ではないので、他のバーのママという人にたくさん話しかけられて少し戸惑ってしまった。

その女性に勧められて3杯ほど飲んだが、最近お酒が弱くなっていたのですっかり酔ってしまった。

昔そこに通っていた時の、今よりも素直で不安が少なかった自分を思い出して少し切なくなった。歳を重ねるにつれて制限が増え、不安も増えていくように感じている。

でも今なら昔聴いていた音楽の良さをより感じられるかもしれないと思った。これが歳をとっていく一つの醍醐味なのかもしれない。

もうしばらく一人では飲みに行くこともないと思うけど、家でひっそりとジャズを楽しみたい。いつかコロナが収まったら、新宿にある村上春樹の小説の舞台にもなったDUGというジャズカフェには行ってみたいな。