カンボジアへの一人旅の後シンガポールに通訳のアテンドで出張で行き、某高級ホテルのラウンジで取引先と打ち合わせをした。
シンガポールは世界でも有数のお金持ちが集まる国である。優雅な空間の中、私はカンボジアのことを思い出していた。
以前の旅行記でも書いたが、カンボジアは一日3ドルで生きている人が殆どの国だ。
カンボジアにも”地頭の良い"人はたくさんいると思うが、そのうちのどれだけの人が満足な教育と社会的な機会を得られるのだろうか。
人間は生まれてきた国や人種、生まれ持った頭や見た目の良さによってその後の人生の難しさが決まってしまう。
頭の良さと外見は努力である程度良くすることはできるけれど、前者は自力では変えることはできない。人間は生まれながらに平等だと言うが、機会という意味ではそうではないと思う。
生きているとつい自分よりも恵まれた人ばかり見て羨んでしまうものだけれど、日本人に生まれついただけで機会を得られやすいという意味では幸運だとは思う。
カンボジア旅行の後シンガポールの富裕層の煌びやかな世界の格差を目の当たりにして、そうしたことを強烈に考えさせられた。
カンボジアの埃っぽく飾らない街は私に生を実感させてくれた。美しい日の出に浮かび上がる遺跡の姿は、どんな高級ブランドも敵わないであろう心に訴えかけてくる輝きと歴史の重みがあった。素敵な旅の思い出をありがとう。またね。
次はタイかイギリスを書こうと思います。